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  [ブランド名]
ジャン・ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)

[解説]
 挑発的でフェティッシュなファッションを提案し続ける、派手めでインパクトのあるブランドです。フランス人デザイナー、ジャン・ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)はモード界のトレンドセッターとしては天才的な嗅覚を持っています。下着をアウターウエア化する流れを作ったのは、ビスチェ風のコルセットを1982年に発表したゴルチエでした。96年に歌手のマドンナがツアーで着た「コーンブラ(円錐形のブラジャー)」やボンデージ風ファッションが有名です。

 アバンギャルド派と見られてきたゴルチエも50歳を過ぎ、貫禄が出てきました。2004―2005年秋冬からはフランスを代表する老舗ブランド「エルメス(Hermes)」のデザイナーに起用されています。最初のコレクションでは「H」のロゴや馬具のモチーフなど、「エルメス」らしさをぎっしり詰め込んだ作品を発表し、「シックと不作法の"結婚"を成功させた」と評されました。

 「エルメス」では2度目のショーとなった2005年春夏パリコレクションでは上品なリゾート風スタイルを提案。それでも、伝統のバッグ「バーキン」を横長にしたり、デニム地に変えたりと、ゴルチエらしいエスプリをのぞかせてくれました。

 自らの名前を冠したブランドは2005年春夏で膝丈のスカートの下にロング丈のスカートを重ね履きするスタイルを提案しました。お得意のコルセットも披露。ドレスにブラジャーを重ねるスタイルも健在でした。

 日本のアパレル大手、オンワード樫山が発掘したことで知られています。78年に初めて取り扱いを始めた当時はほとんど無名でした。日本のアパレルメーカーが支援して育てたデザイナーとしては最も成功したケースではないでしょうか。かつてはディフュージョンライン(普及版)の「ジュニア・ゴルチエ」といううブランドもありました。

 クチュールとストリート、クラシックとアバンギャルド、エレガンスと下品、男と女、街着と労働着といった、ファッション界の壁をぶち壊してきました。2004年春夏でもコルセットとジャケットやワンピースを融合した作品を投入。アンドロジナス(両性具有)ファッションの先駆けとなり、現在のユニセックスの流れを先取りしたことでも有名です。「なぜ男がスカートをはけないんだ」という言葉も残しています。

 ストリート感覚をプレタポルテやオートクチュールに持ち込んだのも、ゴルチエの功績と言えるでしょう。蚤の市で古着や布を見て回るのが習慣。どこの街に行っても、人通りの多いカフェに入り、道行く人の服を観察するそうです。そう言えば、タトゥーやボディーピアスをモードに採り入れたはしりもゴルチエでした。

 SM的なボンデージ風コスチュームに代表される、インモラルなエロチシズムもゴルチエの持ち味の一つです。日本ではビジュアル系ミュージシャンに受けています。近年でもセクシーなロリータファッションや、上着とパンツをつなげたロンパース、ヒップがほとんど見えてしまうようなパンツなどをキャットウォークに送り出しています。

 一見、エキセントリックなデザインで誤解を招きがちですが、カッティングや仕立ての技術は確かです。巨匠、ピエール・カルダンの下で18歳から修業した経験は伊達ではありません。

 プレタポルテの「ジャン・ポール・ゴルチエ」ブランドのほか、97年から始めたオートクチュール、ユニセックスのセカンドライン「JPG」などを展開しています。ドラゴンをモチーフにした小物類は日本で人気があります。

 オンワードがライセンス商品を手がけてきましたが、今後はフランスからのインポート物が増えそうです。フランスのエルメス本社が99年にジャン・ポール・ゴルチエ社の株式の35%を取得したことを背景に、ゴルチエ社はフランスからの直輸入品を増やして、ブランドの高級感を高める方針のようです。オンワードにしてみれば、せっかく手塩にかけて育て上げた花形デザイナーを横からさらわれるような格好で、現在のブランドビジネスの厳しさを象徴しています。

●ブランドデータ


[本国]
フランス(パリ)


[経営・日本での展開]
 アパレルメーカー大手のオンワード樫山と、フランスのブランド企業、ジャン・ポール・ゴルチエ社が2004年、日本法人、フュージョンを折半出資で設立した。今後はインポート物の取り扱いを国内で増やしていく。ライセンス商品は引き続き、オンワードが手がける。

 フランス屈指の老舗ブランド企業、エルメス(Hermes)は1999年、ゴルチエ社の株式の35%を取得した。エルメスの支援を受け、ゴルチエ社は直営店展開を加速している。

 オンワードは国内でライセンス商品を販売してきたが、これまではパリコレクションで発表された直輸入品はほとんど扱わなかった。ライセンス商品を減らし、ブランドイメージを高めたいというゴルチエ社の意向を受けて、今後は国内でもインポート物の普及が進むとみられる。

 フュージョンが運営する店舗では新たなセカンドブランド「ジャン・ポール・ゴルチエ・フュージョン」を新たに並べる。フュージョンの新コンセプトショップは2004年9月、東京・丸の内にオープンした。

 エルメスは2004―2005年秋冬パリから、ジャンポール・ゴルチエ氏をレディース・プレタポルテの主任デザイナーとして起用した。ゴルチエ氏が他ブランドのデザインを手がけるのは初。エルメスは97年から、ベルギー出身のデザイナー、マルタン・マルジェラ氏を起用してきた。マルジェラ氏はゴルチエ氏の下で働いたことがある。

 ゴルチエ氏は2005年から、フランスの通信販売大手、ラ・ルドゥートと組んで、比較的低価格の新コレクション「ラ・ルドゥート・バイ・ゴルチエ」の販売を始める。こうした試みにはカール・ラガーフェルド氏とスウェーデンの低価格衣料チェーン、ヘネス・アンド・モーリッツ(H&M)と提携した例がある。

[歴史]
 ジャン・ポール・ゴルチエ氏は1952年、フランスのパリ郊外に生まれた。自分のスケッチを第一線のデザイナーに送り続けたゴルチエ氏は70年、18歳で巨匠、ピエール・カルダン氏に見いだされ、師事。ジャン・パトゥ氏の下で働いた後、76年、ブランド「ジャン・ポール・ゴルチエ」を設立し、24歳でパリコレクションにデビューした。

 78年、オンワード樫山と契約。カシヤマ・フランスがパリで運営するセレクトショップ「バスストップ」のデザイナーとして契約したのがはじまりだった。ファッション常識を覆す挑戦的な作品を発表し続け、83年春夏コレクションで「コルセットドレス」を、85年にはメンズのスカートを発表した。

 90年、歌手・マドンナのワールドツアーで衣装を担当。97年からオートクチュールを展開している。映画「レオン」「グラン・ブルー」などの作品で知られるリュック・ベッソン監督のSF映画「フィフス・エレメント」で衣装をデザインした。

 2004―2005年秋冬から「エルメス」のレディース・プレタポルテのデザイナーに就任した。エルメス会長から「誰がいいか」と相談を受けた際、自分を推薦した。

 ぬいぐるみのクマ「ナナ」を幼いころから大事にし、アイデアの源としてきた。マドンナに作った「コーン・ブラ」ももともとは「ナナ」のために紙で作った乳房だった。

[現在のデザイナー]
ジャン・ポール・ゴルチエ氏


[キーワード]
キッチュ、アバンギャルド、下着、コルセット、ユニセックス、ドラゴン、「エルメス」、オンワード樫山


[魅力、特徴]
 他人と違う格好がしたい、目立ちたい人向き。日本ではバンド系、ビジュアル系の人に人気が高い。ゲイからの支持も強い。

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